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Youtube 原稿 「不登校 ~登校困難状態 その③  家庭での生活ルール~」広島市 南区 宇品東 心療内科 精神科 中村道彦 投稿日:2020.07.16

以下は、中村先生の第7回目動画、「不登校 ~登校困難状態 その③ 家庭での生活ルール ~」の原稿です。動画はこちら→https://youtu.be/BuE9w9jm67c

お子さんが登校困難状態でなくとも、スマホやゲーム機を渡す前に、親子で一緒に考えて頂きたいルールなど、大切内容が含まれています。

登校困難状態

その3 登校困難状態の対応:家庭での生活ルール

 皆さん、こんにちは。私は、広島市南区の メンタルクリニック ラッコリン院長 中村道彦 といいます。

 今回は「登校困難状態 その3」として、登校困難の子どもに対する、家庭生活のルールについてお話をします。対応は、子どもの性格や心理的特性、家庭環境や家族、学校や地域、などで変わりますが、ここでは原則的なことをお話したいと思います。

  • 起床時刻を守り、日光浴や運動を行い、朝食をとる
  • 子どもが自発的に登校しようとする日は登校する
  • 試験日はできるだけ登校するように促す
  • 登校しない日の午前中に行う活動をきめる
  • 日中の不活発な時間をできるだけ減らす
  • ゲームやネットの使用時間を1時間以内にする
  • 夜10時以降はテレビ、ゲーム機、パソコン、スマホ携帯を使わない
  • 食事時間を守り、節度ある間食にする
  • 家族との団らん時間をつくる
  • 約束を守れないときのペナルティを決める

 さて、これらの生活ルールについて説明します。

起床時刻を午前8時までに固定します。登校日の起床時刻を維持するのが、最も良いと思います。就寝時刻は決めなくても構いませんが、7時間以上の睡眠時間を確保したいものです。そのため、深夜0時までに就寝してください。起床時に体がだるくて起き上がれない子どもでは、血圧が低下していることがあります。この場合、仰向けで上下肢の屈伸運動、そして上半身を起こし上肢の屈伸運動を行い、ゆっくりと起床します。起床後、太陽光または明るい照明光を浴び、できれば体操をして朝食をとります。起床時の日光、運動、食事は睡眠リズムを固定するための、大切な同調因子です。

 子どもが登校するときは、元気に送り出します。試験日には登校を促しても構いません。登校しない日は、午前中に家の手伝いをさせます。子どもが手伝いを喜ばなくても、家庭を「やりたい放題の気楽なパラダイス」にしないために、あえて手伝いをさせます。手伝いができる度に、例えば「頑張ったね。お母さん助かった」などと、褒めることを忘れてはいけません。また、日中ゴロゴロして無為な生活を送ることは、日内リズムを乱し、無気力感を強め、登校困難を悪化させます。日中の不活発な時間を減らすため、家族や友人の力を借りる、部活やクラブチームに参加する、塾や習い事に行く、図書館で自習する、など、工夫してみましょう。

 

 ゲームやネットの時間は、親子で話し合って決めます。テレビ・ゲーム機・スマホ・タブレット・パソコンなどを、ここでは「機器類」と呼ぶことにします。機器類を子どもに使わせる前に、使い方のルールを子どもと話し合います。機器類はあくまで親の所有であることを明確にします。機器類で料金の発生する場合には、子どもの小遣いから、一部を負担させるか、負担が難しいときには、貸与であることを意識させます。例えば、「毎朝、親から機器類を借り受ける」、「借りだし簿に毎日、記入する」、などです。機器類が親からの借り物であることが曖昧になると、機器類の不適切な使用を禁止する根拠が、薄弱になります。子どもに機器類を自由に使わせて、後で「使い過ぎ」と制限するのは、難しいものです。例えてみると、気ままに飲酒してきた人が、「飲み過ぎ」といわれていきなり飲酒を控えることが難しいのと似ています。ルール作りをしないで、機器類を買い与えてしまい、子どもが不適切な使用をしている場合、できるだけ早い時期に、使用ルールについて、根気よく子どもと話し合うことです。機器類を使用するときの必要最小限のルールには、次のものがあります。

  • 1日の利用時間を、例えば「平日1時間、休日2時間」等のように限定すること
  • 食事時間、家族との対話時間、学習時間、就寝から起床までの睡眠時間、などは使用できないこと
  • 機器類は子ども部屋におかず、使わないときは、親の決めた保管場所に置くこと
  • 課金の発生するゲーム等は禁止するが、親が納得できれば、支払方法など条件を決めて、許可すること
  • 使用ルールに違反したときは、例えば「24時間利用禁止」などのペナルティを与え、ペナルティに応じないときは「無期限利用禁止」にすること、などです。

 利用時間の扱いは、「タイム・エコノミー方式」にしてもよいでしょう。例えば、平日の利用時間を1時間にしている子どもが、30分早くゲームを切り上げ、余った30分を、翌日以降の利用時間に加えて、1時間30分にできる、逆に、1時間の利用時間を30分超えた時、翌日以降の利用時間から 30分差し引いて、利用時間が30分になる、などです。

 間食の摂り過ぎを防ぐため、間食の時刻と内容を決めておきます。それは、親が子どもを操作するため、食事を使ってきたことに関係します。例えば、「何々をしたらチョコを買ってあげる」とか「何々ができないのならおやつはありません」などです。間食や食事を子どもの操作に使うと、食べ物が「親の支配シンボル」となり、親への依存や親からの独立の代理行動として、過食や拒食の一因になることがあります。また間食が増えることで、朝昼晩の食事摂取量が少なくなり、栄養的に偏る可能性があります。殊に夜間の間食で朝食を食べられなくなり、脳へのエネルギー供給や日内リズムの固定が不十分になります。

 食事時間や娯楽時間に、家族との会話を活発にすることです。その日の出来事を話し合い、気にかかることを相談し、わからないことを教えあい、家族ぐるみのゲームや映画鑑賞をする など、楽しみながら会話ができれば素晴らしいと思います。ただ、会話のための会話ではありません。しゃべりたくないときは黙っていても構いません。

 

 以上、家族と過ごすときの生活ルールについてお話をしました。生活ルールは学校のカリキュラムではありません。ルールが子どもを支配するのではなく、家族でルールを共有し、家族と共にルールが成長することが大切です。

以上です。ご清聴ありがとうございました。

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女性と青少年のための心療内科・精神科
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TEL: 082-258-1491
FAX: 082-258-1492
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