

カナダ中高生のための精神保健リテラシーについて
投稿日:2023.04.19
カナダの中高生に向けた精神保健と精神疾患のカリキュラムを担当する教室担任教師が使用するガイド第3版を読んでいます。日本では精神保健・疾患について中高生にはほとんど授業で扱われていないと思います。カナダでは多言語・多文化主義を前提に国家づくりをしていますので、差別問題には高い意識を持っています。差別問題の1つに精神障害者に対する偏見差別があります。ドイツ・ナチの激しい差別が暗い歴史の一頁になっているように、この問題は軽視できるものではありません。さらに個人を大切にする国家となるためにも差別や偏見を改善する努力は絶対に必要な政策でもあります。精神保健に対する中高生時代の教育は、精神障害に対する偏見だけでなく、人をその特性で差別することの問題意識を高めることにも役立つはずです。ガイドを読んで驚くのは、中高校生だからと言って、曖昧な内容ではないということです。むしろ専門家からみても「すごい」と感じる内容を、分かりやすく解説しています。このガイドについてもう少し詳しく知りたい方は、「ラッコリンの小部屋」というWEBサイトをご覧ください。この中の「資料室」という小部屋に、シリーズで掲載する予定です。お役に立てれば幸いです。
中村道彦 2023年4月