ラッコリンの小部屋
バンクーバー便り12をアップしました。 投稿日:2023.08.9

8月7日にバンクーバー便り12を「ラッコリンの小部屋」の資料室にアップしました。今回は8月5日6日にバンクーバー・パウエル街で行われていましたパウエル祭を訪ねました。バンクーバーでは日系・日本人の最大の夏祭りです。多数の出し物や露店が出て、日系・日本人だけでなく様々な人種の方が集まってきます。このお祭りはただの夏祭りというよりは、日系カナダ人の人達の悲しい歴史を風化させないためのお祭りでもあるように思います。戦前、カナダ政府は第二次世界大戦で敵国になった日・独・伊に対する過剰な防衛から、偏見と差別に満ちた法を発布し、殊にある政治家が日本に対する敵視から、この法の施行を日系カナダ人にのみ実施しました。1,2日のうちにカバン1つに荷物を入れてバンクーバーから立ち退くよう命令したのです。かんだに移民して僅かな収入を貯めて購入した家や財産は没収され、後に勝手に売却処分されました。立ち退きの後、ヘイスティングの家畜舎に一時期収容し、カナダ国籍のある日系人を含めて日本へ強制送還を行い、またカナダに残った人たちにはアルバータ州やオンタリオ州などの僻地にある農家の納屋のなど暮らさせ、男たちは家族から引き離されて鉄道や道路工事に従事させられました。この法律によってバンクーバーの日系カナダ人が多く住んでいたパウエル街を失い、家や財産を失い、そして活気ある暮らしや愛する家族までも失うことになったのです。戦後しばらくこの政策は続けられましたが、日系カナダ人の人達の努力でカナダ政府はこの法が誤りであったことを認めて謝罪し補償をしました。しかし僅かな補償があっても、失われた日々は戻ってきません。その思いがこのパウエル祭に込められているように感じます。

23ca90e9846a00a50c7ff7f82d3f1099.pdf (rakkoring.com)

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