ラッコリンの小部屋
登校困難状態の誘発因子と教育改革を更新しました 投稿日:2023.09.28

今回で第1部が終了します。第1部ではメンタルクリニック・ラッコリンの11年間の診療データから登校困難(“不登校”を含む広い概念)を中心とした18歳以下の子ども達の特徴を理解することでした。現状の登校困難を理解することに少しでもお役にたてば幸いです。この度の更新では、抑うつ状態について解析しました。登校困難になっている子ども達の約半数に抑うつ状態を認め、抑うつ状態が強くなれば登校困難の頻度も増加しました。抑うつ状態は登校困難の悪循環装置になっています。すなわち、登校困難➡抑うつ状態➡自己評価の低下➡登校困難の悪化という循環に抑うつ状態が関与しています。抑うつ状態は治療可能な精神状態ですから、心療内科や精神科で抑うつ状態の改善を図ることでこの悪循環が断ち切られ、登校困難の軽減に役立つ可能性があります。抑うつ状態の治療で登校困難が改善するという簡単なものではありませんが、一つの困難要因でも改善できれば登校再開への一歩になるため、決して無意味なことでありません。登校困難の背景には様々な要因が複雑に絡み合っています。子ども一人一人の現実をしっかりと見定めて、個々の要因に対処すると共に、子ども自身の今の目標を子どもと家族で話し合いながら、子どもの意思を尊重する向き合い方を家族で考えていく必要があります。殊に成績至上主義の荒波(受験戦争、疲弊するほどの塾や習い事、自己評価や自尊心の低下、登校困難やひきこもり、等々)に子どもも家族も社会も翻弄されている現状を認識することが大切ではないでしょうか。中村道彦

ca006f58c7335546c98279dc0a7b4bde-8.pdf (rakkoring.com)

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