ラッコリンの小部屋
登校困難状態の誘発因子と教育改革について 投稿日:2023.09.10

今回の更新では、ラッコリン社交不安尺度RSAS(未検定)の特性や、RSASの下位尺度-恐怖/不安感と回避について検討し、社交不安と社交回避が登校困難とは異なる関係を示すことを示しました。そして❶小学校年齢の子どもでは社交不安は明らかな登校困難要因になる、❷中高校年齢の子どもでは社交不安は登校困難の導火線的な役割を持ち社交不安以外の要因を賦活する、❸RSASが70点を超えると社交回避よりも社交不安自体が登校困難の要因になる、❹RSASの70点が登校困難を予防する上で重要な分岐点と考えられる、などを指摘しました。さらに広汎性発達障害と登校困難の関係を調べ、自閉症性スペクトラム障害ASDと注意欠如多動性障害AD/HDの診断補助尺度として使用した発達調査票とコナー小児行動評価表についても分析をしました。その結果、❺発達障害は登校困難要因の一つで、ASDがAD/HDよりもより強く関与していた、❻ASD発達調査票(未検定)の10∼14点がカットオフ・ポイントになる、❼軽度(15∼24点)ASDではその特性の増強と共に登校困難も悪化、❽中等度以上(25点以上)のASDの登校困難群は心療内科・精神科の対象外になる可能性がある、❾境界(10∼14点)ASDは社交不安による回避傾向を悪化させる可能性がある、などを示しました。最後に、対人緊張、登校困難要因、社交不安・回避、ASDとAD/HDなどの要因と登校困難との関連を図示しています。

次回以降では、抑うつ状態と登校困難の関係を検討したいと思います。

更新した結果を一読していただければ幸甚です。また、ご意見やご質問はラッコリンの小部屋の「お問合せ」でお送りください。

ca006f58c7335546c98279dc0a7b4bde-7.pdf (rakkoring.com)

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