ラッコリンの小部屋
日本、カナダ、米国の不登校 chronic absenteeism 投稿日:2023.07.7

ラッコリンの小部屋の「研究室」では、著者が長年診療で関わってきました「不登校」の子ども達について、日本、カナダ、米国などで発表されている報告と共に、著者自身の臨床経験から日本の「不登校」の実態について分析した結果を紹介したいと考えています。著者は「不登校」という用語に代えて「登校困難状態」と呼んでおり、カナダや米国では「慢性的な長期欠席chronic absenteeism」と呼ばれています。日本では北米に比べ、登校困難が社会問題化するほど増加しており、その背景に社会経済的な要因のみならず、個人的要因(社交不安や発達障害などによる不安や抑うつなど)や教育制度的要因があると著者は考えています。殊に日本の教育制度では教師を志す若者がその道を諦めるほど教師不足が深刻化しており(カナダでは教師は人気の職業で希望してもポストが得にくということです)、その背景に日本の教育制度の硬直化があると思われます。この結果、教師や子どもに疲弊と失望をもたらし、子どもの親は受験不安に振り回され、「教育産業」のみが肥え太るという状況を生み出しています。どこの国の教育制度が満点ということはありませんが、日本の風土に即しながら、子どもが希望を持てる思い切った教育制度改革を考えていくべきだろうと思います。このことに少しでも参考になることを願って、カナダや米国の教育・登校事情や日本での臨床経験を紹介したいと思っています。

また、個別の相談も行っていますので、お子さまが登校困難な状況になり、お悩みの保護者の方は「ラッコリンの小部屋」の「お問合せ」からメールをいただければ幸いです。

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